4-2. インドにおけるオーガニックコットン

インドにおけるオーガニックコットン

●インドのオーガニック・コットンについて「独立行政法人 国際協力機構(JICA) インド事務所 NGO-JICAジャパンデスク」の報告

「インドにおけるオーガニックコットン生産の概況(2009年)」でインドのオーガニックコットンの生産状況について下記のように記述しています。

『インドは世界の生産量の 50%以上を占めるオーガニックコットンの最大の生産国である。Organic Exchangeの最近のレポートによれば、2007~2008作物年度のオーガニックコットン生産上位 5 カ国は、規模が大きい順に、インド(生産高が世界全体の 51%)、シリア(19%)、トルコ(17%)、中国(5%)、それにタンザニア(2%)であった。インドのコットン(綿)は、3 つの農業生態学的地域(agro-ecological zones)で栽培されている。すなわち、北部地域(パンジャーブ州ハリヤーナー州ラージャスターン州、中部地域(グジャラート州マディヤ・プラデーシュ州マハーラーシュトラ州)、南部地域(オリッサ州タミル・ナードゥ州カルナータカ州アーンドラ・プラデーシュ州)である。栽培される綿種は地域によってさまざまである。インドでは、マディヤ・プラデーシュ州がコットン生産をリードしており、マハーラーシュトラ州とオリッサ州がそれに続く。インドにおけるオーガニックコットンの生産量はインドで生産されている伝統的なコットン全体のわずか 1.4%に過ぎないが、開発の余地のある優れたニッチ分野である。』

また、オーガニックコットンの生産過程における、農家、労働者の位置づけと問題点について下記のように記述しています。

『インドにおけるオーガニックコットンのバリュー・チェーン(Value Chain)は、タオルから生理用ナプキンまで最終製品が多岐にわたるため非常に複雑で広範囲に及んでいる。しかし、農家と労働者は、輸入業者、輸出業者および小売チェーンが主導するサプライチェーンの中で連関性が最も弱い。綿繰り部分は児童労働、過酷な労働条件、不潔な作業環境、不公平な賃金に悩まされており、バリューチェーンの主導者たちによる統制はほとんど及んでいない。また、農民組織と所有権の問題も絡み合っている。事実、契約は、ほとんどすべての契約条件が会社で働く農民の義務のみを規定しているため、農民に非常に不利に偏っている。
現在、数種類のオーガニックコットン製品がインド国内で流通している。それらのほとんどは外部の基金積立機関すなわちオランダの国際NGOソリダリダード(Solidaridad)[たとえば、チェトナ・オーガニック(Chetna Organic)]から資金の提供を受けており、一部はプラティーバ・シンテクス社(Pratibha Syntex)[ヴァスーダ・プロジェクト(Vasudha)]などのインド企業から資金提供を受けている。』

インドのオーガニックコットン生産の世界市場への位置づけについて下記の通り記述しています。

『インドには認定を受けた有機農法が行われている農地は170 万 haある。インド国内のオーガニック市場の規模は10億ルピーと評価されており、年間成長率は現在の35%から2010年には50%と着実に伸びると見込まれている。インドは急速に有機栽培農産物の生産と世界市場への供給の主要基地になってきている。有機農産物の世界市場規模は2010年までに1,000 億米ドルに届くと予想されている(インド政府の商工業省によるプレスリリース)。
インドにおけるオーガニックコットン生産は極めて大きな潜在性を秘めている。面積の65%が天水栽培で、従来型の灌漑コットン栽培と比較して肥料使用量は20%、農薬使用量は15%に過ぎないところに特徴がある。インドは現在オーガニックコットンの生産で世界的リーダーである。』

インドのオーガニックコットンへの潜在性について下記のように記述しています。

『インドでは、元々、4,000年間を通じて、コットンは常に有機栽培されてきた。50~60年以上前には、インドのコットン栽培は有機であった。化学物質は肥料としても殺虫剤としても使用されていなかったからである。今日でも、コットンは、以下に示すように、多くの地域で無意識に有機栽培されている。上記の品種は干ばつと害虫に対するその固有の耐性のため、有機栽培(green farming)に適したものとなっている。その後、第二次世界大戦期の殺虫剤化学肥料の開発の結果、コットン栽培は劇的に変化した。それらの導入のわずか 10 年後の1950 年代後半には、DDTによってもたらされる環境被害は農薬の長期使用には悪影響を伴うという可能性を示すようになった。コットン栽培にはもっと自然な方法があり、近年、多くの人々がより伝統的な栽培方法に戻るべきだと強く訴えている。文献資料によれば、インドの有機農法は、1900 年には北インドの農村で英国の農学者のハワード卿(Sir Albert Howard)によって開始された。それ以来、インドの一部地域の農民たちは、ほかに方法がないものとして、あるいは資源不足の条件下であるためにそれを実践している。』

児童労働問題について下記の通り記述しています。

『インドのコットン・サプライチェーンでは子供が全労働力の約 60%を占めており、そのうち70%は女子である。女の子は扱いやすく、作業に集中し、賃金が安いとされている。現在農場で働いている女の子たち、は将来は教育を受けないまま母親になる。インドではここまで大規模に子供が働いている産業は他にはない(Susan Haffmans 2007)。他方、成人女性は労働から外されている。また、児童労働では長期契約、借金による拘束、低賃金、長い労働時間(1日10~13時間)が多い。Venkateswarlu-da Corta(2005)の研究「子供の値段(”The Price of Childhood”)」、オランダ・インド委員会、国際労働権利基金、Eine Welt Netzwerk NRW などによると、アンドラプラデシュ州のコットン農場で働いている子供(18 歳以下)たち計 100,000 人は、しばしば親たちが負った借金に拘束されているという。コットン畑で働く子供たちの 85%以上が学校に通っていない。』

「インドにおけるオーガニックコットン生産の概況(2009年)」では、この外「オーガニックコットン栽培農法」、「オーガニックコットン認定手続き」「オーガニックコットン栽培農家の社会経済的分析」、「サプライチェーンのボトルネックと政策提言」や「現在実施中のプロジェクト」として「チェトナ・オーガニック FTコットン・サプライチェーン支援プロジェクト」(p70~p73)と「プラティーバ・シンテクスによるヴァスーダ・プロジェクト」(p73)が紹介されています。

●プレオーガニックコットンプログラムの取組

[プレオーガニックコットンプログラム(英:PRE ORGANIC COTTON PROGRAM)はインドのコットン農家がオーガニックコットン栽培へ移行するための支援を行う活動。
インドのコットン農家の化学農薬による健康被害・土壌汚染、農薬購入時に発生する借金問題等を解決するため、オーガニック栽培をスタートするための支援を行う。運営は音楽プロデューサー小林武史が代表をつとめるクルックと伊藤忠商事・繊維カンパニー。
プレオーガニックプログラムでは、オーガニックコットン認証を取得するために必要な3年間の無農薬農法移行期間中のコットンをオーガニック栽培支援費を付与し、全て事前買い付けを行う他、オーガニック農法の指導者派遣や遺伝子組み換えをしていないコットンの種を配布する等の支援を行っている。
プレオーガニックコットンプログラムで買い取ったコットンは、“プレオーガニックコットン”という商標で、アパレル企業等へ販売し、主に日本国内でコットン製品として流通しており、支援費はこのプレオーガニックコットン製品の売上げから拠出されている。
2008年より活動を開始し、インドのマディヤ・プラデーシュ州を中心に800軒以上の農家をサポートしている。  (wikipedia・プレオーガニックコットンプログラムより)]

「プレオーガニックコットン・ホームページ」

●「プラティーバ・シンテクスによるヴァスーダ・プロジェクト」の取組紹介サイト

プラティーバ・シンテクス社(Pratibha Syntex)の「ヴァスーダ(Vasudha・プロジェクト」紹介サイト「インドールで見た社会企業家:サンチャイブログ(संचै पत्र):So-net …」[このサイトでは『プラティーバ社にも課題はある。第1に、種子の問題だ。現在、ヴァスーダのオーガニック・コットンの80%では遺伝子組み換え(GM)種子が使われている。いわゆる「Btコットン」だ。確かにBtコットンは単収増にも繋がるしコットンの質も良い。しかし、こうした短期的なメリットに対して長期的にはどうなのかは未だ立証されていない。生態系にどのような影響を与えるのかも未知数である。このため、チョードリー社長は、社内に研究所を設立し、GM種子の長期的な影響について研究を行ないたいと述べている。』と記述され、プラティーバ・シンテクス社の取組には国際的オーガニック・コットン認定には問題があるようです。]

●「「チェトナ・オーガニック FTコットン・サプライチェーン支援プロジェクト」の取組紹介サイト

日本向けオーガニックコットンの商品を販売する㈱フェリシモが、このチェトナの活動を支援「orgabits » ピース バイ ピース コットンプロジェクト」 – 位置「オリッサ州

●その他のインドオーガニックコットン支援取組紹介サイト

コットン生産地支援『ピース・インド プロジェクト』」、「インドのコットン生産地で新たに2つの村で支援開始(タティクンタ村マッデラバンダ村)」 – インドのパートナーNGO「SPEED」 – 活動区域「テランガーナ州(2014年6月2日にアーンドラ・プラデーシュ州から分割)・マフブーブナガル県マルダカル地区(Maldakal)ガドワル地区(Gadwal)アイジャ地区(Ieeja)ガットゥ地区(Gattu)

スイスのリーメイ(Remei)社の取組「biore Foundation Remei AG」 – 株式会社パノコトレーディングの取組「bioRe(ビオリ)プロジェクト」 – インドのbioRe「bioRe India Limited

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