アッピア街道(アッピアかいどう、ラテン語: Via Appia)は、現存するローマ街道の中でも最も有名なもののひとつで「街道の女王」の異名を持つ。新しいアッピア街道が1784年に旧道に平行して敷設されたため、アッピア旧街道(Via Appia Antica)とも呼ばれる。
アッピア街道の道筋(白線)
アッピア街道の地図
紀元前312年、当時のケンソルであったアッピウス・クラウディウス・カエクスの要請により、元老院の反対のなか、ローマとアルバーノ丘陵(アルバーノ湖)を結んでいた街道を改修、拡大し敷設が始まった。敷石には頑丈なヴェスヴィオ山の火山岩(おもに玄武岩)が用いられた。
アッピア旧街道の当初のルートはローマのセルウィウス城壁出口の一つカペーナ門(カラカラ浴場付近)を起点とし、アリッチャ(Ariccia)、アッピウスのフォルム、テッラチーナ(Terracina)、フォンディ(Fondi)、フォルミア(Formia)、ミントゥルノ(ミントゥルナエ・Minturno)、モンドラゴーネ(Mondragone・旧シヌエッサ(Sinuessa))、カプア(Capua)までであった。
紀元前190年、街道はアルパーイア(Arpaia)、ベネウェントゥム(現在のベネヴェント・Benevento)やアエクラヌム(Aeculanum)、アクイロニア(Aquilonia)、ウェヌシア(現在のヴェノーザ・Venosa)までさらに延長され、紀元前244年にはグラヴィーナ・イン・プーリア(Gravina in Puglia)、タレントゥム(現在のターラント・Taranto)、オーリア(Oria)とブルンディシウム(現在のブリンディジ・Brindisi)まで延長された。
また、途中のベネウェントゥムからブルンディシウム(現在のブリンディジ)を直線で結ぶトラヤナ街道(Via Traiana)(トラヤヌスのアッピア街道)が109年に造られている。
紀元前71年、約6000人の奴隷がスパルタクスに率いられ反乱を起こした。マルクス・リキニウス・クラッススによってこの奴隷反乱が鎮圧されると逮捕された反乱者たちは街道沿いに十字架にかけられ、それらはポンペイにまで達した。
ローマ帝国の滅亡後、街道は永らく使用されなかったが教皇ピウス6世(在位:1775年 – 1799年)の命により修復され再び利用された。
街道の広い部分は元の状態で現在まで保存されていて、ところどころは現在でも自動車道として使用されている(ヴェッレトリ近辺など)。ローマに近い街道沿いの部分では、ローマ時代の墓碑や初期キリスト教のカタコンベを多数見ることができる。
ローマ布教に際し皇帝ネロ(在位:54年 – 68年)による弾圧で追われる身となった聖ペトロが、アッピア街道の中途でイエスの幻影に出会い、「主よ、どこへ行かれるのですか(Domine, quo vadis ?)」と尋ねたところとしても知られる。現在その場所にはドミネ・クォ・ヴァディス教会が建てられている。このとき「もう一度十字架にかけられるためにローマへ」というイエスの答えを聞いたペトロは己のすべきことを悟って再度ローマへ赴き、逮捕されて逆さ十字架の刑に処されたとされる。刑場の跡地は現在のバチカンであり、墓所はサン・ピエトロ大聖堂となっている。
サン・セバスティアーノ門を起点とし、ドミネ・クォ・ヴァディス教会の地点より10キロほどの緑地帯が続く「旧アッピア街道(ヴィア・アッピア・アンティカ)」は、ローマ帝国時代の石畳と松並木(イタリアカサマツ)の風景、街道周囲の遺跡が今も残るアッピア街道州立公園として整備されている。並行して「新アッピア街道(ヴィア・アッピア・ヌオヴァ)」という高速道路も存在し、ローマ・チャンピーノ空港を経由して南東方向へと伸びている。チャンピーノを過ぎたあたりで州立公園の旧道は終了し、新アッピア街道と合流して現代の道路の様相となる。 (wikipedia・アッピア街道より)]
[ローマ帝国の下においても、ベネウェントゥムが重要で繁栄した都市であったことは、今に残る遺跡や碑文から十分に証明される。ヒルピニ地方において最大の都市であったことは疑いなく、南イタリア最大の重要都市カプアに次ぐ規模であったと考えられている。この都市が幹線道路であるアッピア街道が二つに枝分かれする分岐点であったことが、都市に繁栄をもたらしたことは疑いない。分岐した街道のひとつはのちにトライアナ街道 (Via Traiana) と呼ばれる道路で、アエクウム・トゥティクム(Aequum Tuticum, 現在のアリアーノ・イルピーノ)を経てアプリア(現在のプッリャ州)に至った。もう一つの街道はアエクラヌム (Aeclanum) を経てウェヌシア(現在のヴェノーザ)やタレントゥム(現在のターラント)に至った。 (wikipedia・ベネヴェントより)]
「Le 29 tappe del Cammino e i video per percorrerle a volo d …」のローマからブリンディジまでのルートを 29 ステージで構成されている、Google Earth で撮影した各ステージの鳥瞰ビデオを参考にしにて「アッピア街道」をマイマップに描いてみました。各ステージの接点は紫のポイントになります。