フォロの浴場

マーカーはフォロの浴場です。

フォロの浴場(Terme del Foro)
[フォロの浴場はジュピターの神殿(カピトリウム大神殿)の後ろに位置し、将軍ルキウス・コルネリウス・スッラ( 紀元前138年 – 紀元前78年)によってポンペイ共和政ローマの植民都市となって(紀元前89年)間もなく建設されました。入口は婦人用と男性用に分けられていました。男性用の区画ではアポディテリウム(脱衣場)がテピダリウム(中温の風呂)としても利用され、続いてフリギダリウム(低温の風呂)、カリダリウム(高温の風呂)がありました。ポンペイの他の多くの建物と同様に、この浴場も紀元62年の地震で大きな被害を受けています。現在見られる状態の大部分は、その後の修復作業の結果と言えます。内部装飾の素晴らしさは注目に値し、入浴の際に衣類や持ち物を置くためのニッチにはテラコッタ製の男性像が飾られ(テラモニ)、アポディトゥリウムとテピダリウムのスタッコ仕上げのレリーフのあるヴォールトなどが特筆されます。同じ空間には暖房に使われたブロンズ製の大きな火鉢が見られます。婦人用の区画はより小さく、噴火の時点では修復中でした。男性用の施設入口の近くでは、夜間の開場時間に使われたカンテラが500個以上も見つかっています。  (「ポンペイ遺跡ガイド – Pompei-p89」より)]

[公衆浴場は基本となる3種類の部屋、カルダリウム(高温浴室)、テピダリウム(微温浴室)、フリギダリウム(冷浴室)を中心として建設されていた。場合によっては、蒸気風呂のスダトリウムやラコニクムがあり、ラコニクムの方が乾燥していて現代のサウナ風呂に近い。
ここでは、下図のポンペイのフォルムに隣接して建っていた浴場の平面図を参照しながら解説する。

建物全体は男性用と女性用それぞれの一連の浴室から構成されている。通りからの入り口は6カ所あり、そのうちの1つ(b)が女性用のやや狭い部分の専用入り口になっている。他の5カ所は男性用の部分の入り口で、そのうち2つ(c と c2)は作業員用の炉に通じる入り口で、残る3つ (a3, a2, a) は浴室部分への入り口となっている。
アトリウム
主要な入り口 a は表通りには面しておらず、建物の周囲の路地から入るようになっていて、3段の階段を上ると左手にトイレ(ラトリナ)などがある小さな部屋 (x) がある。さらに進むと屋根に覆われたポルチコ (g, g) が屋根のない中庭であるアトリウム (A) を三方から取り囲んでいる場所に出る。この空間が浴場の玄関ホール(ヴェスティビュール、vestibulum balnearum)であり、召使いはここで待つ。
アトリウムは若者のための運動場であり、入浴者の散歩道になっていたと思われる。この中庭には、入浴料のクォドランス(青銅硬貨)を徴収する風呂の管理者 (balneator) もいた。ポルチコの奥にある f の部屋は、この管理者用の事務室とも考えられるが、上流階級の人々が知人が浴場の奥から戻ってくるのを待つ待合所として使ったエクセドラまたはオエクス(主室)と考えるのが最も妥当である。この中庭には、劇場の公演の広告、剣闘士のショーなどの告知が壁に描かれており、遺跡にもそれが残っている。入り口脇には石の座席 (scholae) がある。
脱衣室とフリギダリウム
通路 (e) を通って B の脱衣室 (apodyterium) に行き、衣服をここで脱いだ。脱衣室で入浴者を手伝うのが capsarii と呼ばれる奴隷で、手癖が悪いというのが当時の共通認識だった。脱衣室は広々とした部屋で、壁に沿って石の座席 (h, h) があった。遺跡の壁には穴が見られ、入浴者の衣服をかけておく釘がそこにあったとされている。この部屋はガラス窓で採光しており、6つのドアがあった。そのうちの1つがテピダリウム (D) に続いており、別のドアがフリギダリウム (C) に続いている。フリギダリウムには水風呂があり、これを loutron、natatio、natatoriumpiscinabaptisterium、puteus などと呼んだ。”natatio” および “natatorium” という呼称はそれらが水風呂だっただけでなく、水泳用プールでもあったことを示している。この部屋の風呂は白い大理石製で、周囲も2段の大理石の階段になっていた。
脱衣室(apodyterium)・wikipedia-photo、フリギダリウム・wikipedia-photo
テピダリウム
暖かい風呂で汗を流したいと思った入浴者は、フリギダリウムからテピダリウム (D) へと向かう。ポンペイの浴場では、テピダリウムにお湯をはった浴槽はないが、熱い空気で適度に熱せられており、その先にあるカルダリウムの熱さと外気温との急激な変化を防止する役目があった。ポンペイの浴場では、カルダリウムに入る入浴者がこのテピダリウムを脱衣室として使うこともあった。壁面は小さく仕切られていて、そこで休憩したり、脱いだ衣服を置くことができた。仕切りは壁から張り出したアトラステラモーンの像であり、その上のコーニスを支えていた。
遺跡からは3つの青銅製ベンチが見つかっていて、隣の部屋のハイポコーストの熱で温められる仕組みになっていた。また発掘により木炭の灰が青銅製の火鉢から発見されている。そのような火鉢の傍に座って発汗することを ad flammam sudare と呼んだ。
テピダリウムは浴場の中でも最も装飾が豪華である。そこは単に座ってオイルを塗る部屋だった。ポンペイの浴場のテピダリウムは床がモザイクで、アーチ形天井は漆喰で装飾され、赤い壁に絵画がかけられていた。
オイルの塗布は unctores または aliptae と呼ばれる奴隷にやらせた。カルダリウムに行く前やフリギダリウムから出てきてから、発汗をチェックするために衣服を着る前にオイルを塗布した。浴場によっては、オイル塗布専用の部屋(destrictarium または unctorium)があった。
テピダリウム・wikipedia-photo
カルダリウム
テピダリウムの奥にはカルダリウム (E) があり、そのモザイク床の下にはハイポコーストがある。壁の中にも穴があって、熱い空気がそこを通っていた。一方の端には丸い浴槽 (labrum) があり、もう一方の端には四角い浴槽 (puelos, alveus, solium, calida piscina)があった。labrum には冷たい水をはってあり、入浴者がその部屋から出て行く前に頭から水をかぶった。ポンペイの浴場ではどちらの浴槽も大理石製だが、純銀製の浴槽もあったという。カルダリウムはとても熱いため、装飾はあまり豪華ではない。
カルダリウム・wikipedia-photo
ラコニクム
ポンペイの浴場にはラコニクムがない。ラコニクムはカルダリウムよりさらに熱い部屋で、浴槽はなく、発汗のためだけの部屋だった。アグリッパがローマの浴場に設置したのが最初と言われていて、sudatorium または assa とも呼ばれた。
作業用区画
脱衣室から通路 (q) があり、これを進んで行くと praefurnium または propigneum と呼ばれる炉のある部屋 (M) に到達する。この部屋は c の入り口を使って通りから入ることもできる。ここで火を扱う作業員 fornacatores が働いていた。この部屋には2つの階段があり、ひとつは浴場の屋根に出る階段で、もう1つはお湯を沸かすボイラーに向かう階段である。
ボイラーは3台あり、熱いお湯用(カルダリウム)、ぬるま湯用(テピダリウム)、冷たい水用(フリギダリウム)になっていた。暖かいお湯は壁を通るパイプで暖かい浴室に供給された。d の炉はカルダリウムの熱い浴槽のお湯を熱すると共に、熱気をハイポコーストに供給していた。熱いお湯を沸かすボイラーは炉のすぐ上に置かれていた。そこで熱せられたお湯の一部が隣のテピダリウム用ボイラーに供給された。お湯は十分に熱せられていて、下にあるハイポコーストも熱を加えるので、それほど温度を下げずにお湯を温めることができる。冷水は奥にある四角い水槽から供給される。ボイラー自体は残っていないが、それらが置かれていた場所のモルタルの形状などから、その様子を想像することができる。これらのボイラーの形状がマイルストーンの形状に似ていることから miliaria と呼んだ。
ボイラー室の奥には、浴場の作業員のための中庭またはアトリウム (K) に通じる通路がある。
3層湯沸し器 (miliarium)・wikipedia-photo
女性用浴室
隣接する一連の浴室は女性用である。入り口は b で、そこを入ると小さな玄関ホール (m) があり、脱衣室 (H) に続いている。男性用の脱衣室と同様に壁に沿って座席 (pulvinus, gradus) がある。脱衣室内に水風呂 (J) があり、男性用のフリギダリウムに相当するがずっと小さい。脱衣室から水風呂に向かって下っていく4段の階段がある。
脱衣室の入り口と反対側のドアを通ると、そこがテピダリウム (G) で、さらにそこからカルダリウム (F) に行けるようになっている。カルダリウムの端に熱いお湯をはった浴槽があり、別の端に冷たい水をはった labrum がある。男性用と同様、ハイポコーストで部屋全体が熱せられている。テピダリウムには男性用テピダリウムにあったような火鉢はないが、ハイポコーストで部屋が温められていた。
女性用浴室・wikipedia-photo  (wikipedia・古代ローマの公衆浴場より)]

VII.5.2 Pompeii. Forum Baths. Entrance to men’s baths and changing room.」 – 「Forum Baths Plan

フォロ浴場 – Google Map 画像リンク

カメラ南南西方向がフォロの浴場男性用入口(フォロ通り)です。フォロの浴場平面図の「a2」になります。

Via dell Tetme通り側の入り口です。フォロの浴場平面図の「a3」になります。入口先が脱衣場「B」、その先に冷浴室(平面図「C」)があります。

カメラ北方向下屋の部分が女性用浴室入り口は「b」です。

テピダリウム(中温の風呂)カメラです。

カリダリウム(高温の風呂)のカメラで、カメラ北北西方向が四角い浴槽で、カメラ南南東方向に丸い浴槽があります。

丸い浴槽

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