マーカーは公共トイレ(ラトリナ)です。
大フォルムの平面図
[2.No) ポンペイ、ローマ(古代ローマ.1]より
公共トイレ(クロアキナ・Cloacina)
[ポンペイはとても活気のある都市だった。整備された上下水道の水道の弁は、水の量を調節する仕組みが現在とほとんど変わらず、きれいな水を町中に送っていた。トイレが社交の場となっていたらしく二人掛けのトイレが存在し、トイレは奴隷とその主が共同で使用しており、トイレの壁に「見事だ」と奴隷による落書きが残された遺構がある。発掘された排泄物や骨の調査から、身分によって食事の内容に違いはなく、皆健康的な食生活を送っていたらしい。 (wikipedia・ポンペイより)]
[ポンペイ遺跡(イタリア)は西暦79年にウェスウィウス火山(ヴェスヴィオ火山)の噴火により埋もれてしまったローマ時代の都市として知られる。個人住宅跡では一般的に穴を1個空けただけの便所が台所かその近くにあった。たとえば、所有者の知られる「ケイウスの家」では台所の一画にあり、台所から2階にあがる階段の下がトイレ空間になっていた。下水設備が完備していたのは公衆トイレだけであった。 (wikipedia・トイレ遺構より)]
[ローマ帝国のトイレの分類
ローマ人の使用したトイレは、次の4種類に分類されています。
(1)ラサナ(Lasana) – 腰掛けて用を足す椅子形便器です。椅子には穴が開いており、その下には、時に金銀製の受け容器が置かれていた そうです。「ラサナ」は「料理」という言 葉から出ているといわれます。一般住宅のトイレとして、構造が簡単なため使われていましたが、皇帝用の豪華を彫刻が施された大理石製肘掛椅子形のラサナも存在します。
(2)ガストラ(Gastra) – 土の壺を道端に置いたり、埋めたりした簡易公衆トイレです。「ガストラ」という言葉は「胃腸の掘馳」を意味します。これは道路を汚さないため設置されたのですが、もうーつ、目的がありました。ローマ人は、石鹸製造のための原料として尿を用いていました。そこで、尿を集めるため、ガストラが利用されたのです。
(3)クロアキナ(Cloacina) – 水洗式公衆トイレのことです。「クロアキナ」という言葉が「溝水道」を意味するように、上下水道が建設されたことにより、このようなトイレが作れるようになりました。都市においては糞尿を肥料とする必要がないため、水洗によって衛生的に処理する方法がとられたのでしょう。公衆トイレだけでなく一般住宅においても、トイレが水洗化していきました。
(4)ラトリナ(Latrina) – 水洗式個人(一般)住宅用トイレのことです。「ラトリナ」は「水洗曹」を意味する「ラヴァトリナ」から転じた言葉で、「ラヴァレ」には「洗う」という意味があります。 (「]kawaya vol.49.表出力.indd – アメニティネットワーク」より)]
「VII.7.28 Pompeii. Latrina Pubblica nel Foro.」
カメラ南西方向開口部が公共トイレ(クロアキナ)の入口です。