地上防空壕(Hochbunker)

マーカーは地上防空壕(Hochbunker)です。

地上防空壕(ドイツ語:Gruselkabinett)
[テンペルホーフ=シェーネベルク区 のパラス通りに今もそびえているコンクリート製の巨大な地上防空壕(Hochbunker)の前に私が初めて立ったのは、昨年のワールドカップの決勝戦の翌日だったと思う。この通りはそれまで自転車で何度も通っていたのに、私がその存在に気が付くことはなかった。ご覧のように極めて無機質かつ地味な外見であるし、その上に幾煉も建つ集合住宅に組み込まれているので、大きさの割には目立たないのである。改めてこの前に立ってみると、その威容にはやはり圧倒されるものがあった。建物の表にはシダが生い茂り、長い年月の経過を物語っている。本来の目的を失った防空壕は、ひたすら静かにその場に佇んでいるという感じだった。実はこの防空壕は第二次世界大戦の末期、当時のソ連領から強制連行されてきた人々によって建てられたものなのである。建設が始まったのは、前回お話したこの向かいの「スポーツ宮殿」でゲッペルスが総力戦演説を行った約半年後のことだった。戦後、パラス通りの防空壕は連合軍が爆破を数度試みたが、あまりに頑丈にできているため壊すことができず、結局そこに残された。1970年代に入って、防空壕の上に大きな集合アパートが建てられた。かつてのスポーツ宮殿(Palast)の跡地であること、そしてそのアパートには社会保護を受ける多くの外国人が住んでいることから、「社会宮殿(Sozialpalast)」などと呼ばれている。いずれにせよ、歴史の亡霊はいまもパラス通りに立ち続けているわけだ。  (「パラス通りの防空壕 - 天使の降りた場所(17) –」より)]

パラス通り高層防空壕 – Google Map 画像リンク

カメラ南西方向が地上防空壕(Hochbunker)です。

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