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山鉾巡行関連リンク – 「八坂神社」、「祇園祭(八坂神社・石段下)」、「神輿洗い」、「八坂神社御旅所(祇園御旅所/四条御旅所)」、「三条御供社(又旅社)」、「大政所御旅所旧跡」、「祇園祭(山鉾)」、「中之町御供」
「【2019京都祇園祭後祭】約200年ぶりに山鉾巡行登場で大注目!創始1150年記念限定御朱印も☆「鷹山」」
山鉾巡行
[巡行の日は早朝から各山鉾街では、町会所などに展示してあった装飾品や神体人形を山鉾に取り付ける作業が行われる。また、出発前に町会所等では神事が行われたり記念撮影が行われる。出発地点を公式に出発する時間の30分から1時間前に町内を出発する山鉾が多い。ほとんどの山鉾は出発時に一旦バックして町内すべての家に「挨拶」してから出発地点に向かう。出発地点の手前でくじ順に並び直しをする。
前祭の山鉾は長刀鉾を先頭に9時に四条烏丸を出発し、午前中から昼過ぎにかけてコースを回る。四条烏丸交差点で稚児の長刀鉾への乗り込みがある。鉾のそばまでハイヤーでやって来た稚児は、既に神の使いとなっており地上を歩かないことになっているため、男性強力の肩に乗せられて長刀鉾に掛けられた梯子で鉾に乗り込む。
四条堺町交差点ではくじ改めが行われる。奉行に扮した京都市長に対し、山鉾町の代表者(町行司)が7月2日のくじ取り式で受けたくじ札を見せ、くじ順に巡行していることを確認する。町行司役は子供のこともある。いかに格好良く文箱の紐を解き、いかに粋な格好で奉行にくじ札を見せるかを各山鉾町が競い合う。確認が終了すると町行司は扇子を使って山鉾に通行して良い旨の合図を送るが、これも山鉾により異なる型がある。舁山は奉行に山の全面の懸装品を見てもらうために、山の回転を行う。くじ取らずの山鉾は奉行に挨拶だけを行う。
四条麩屋町交差点では稚児による斎竹(いみたけ)の注連縄切りがある。神の使いである稚児が太刀を使って注連縄を切断して結界を開放し、神域への山鉾の進入を神に代わって許可する。太刀の使用には危険も伴うので、実際は稚児の後方の大人が二人羽織のように太刀を扱う。なお、現在の形での稚児によるの注連縄切りは1956年(昭和31年)から始まったものであるが、古い文献に見える注連縄切りを復活させたものとされる。
その他にも傘鉾の棒振り踊りなど見所は多岐に渡るが、最も目を引く見所は辻回しと呼ばれる鉾の交差点での方向転換である。鉾の車輪は構造上方向転換が無理なため、路面に青竹(一部では丸太)を敷き、それに水を掛け、その上に車輪を乗せて引き綱を横から曳くことにより車輪を滑らせて向きを変える。3回から4回ほどかけて90度の方向転換を行う。この時音頭方は通常の2人に加えて、前輪を股で挟んで固定する役の2人も加えて計4人となる。音頭方の掛け声は通常の進行時の「エンヤラヤー」ではなく、「ヨイヨイヨイトセ ヨイトセ」という。
長刀鉾の稚児は新町御池で鉾から降り、ここで公式の山鉾巡行は終了して各山鉾は解散という形で、くじ順に関係なく各山鉾町内に向かう。御池新町から新町姉小路までは、すべての山鉾が通過するが舁山は途中で曲がっていくものも多い。しかし背の高い鉾や曳山は新町通を必ず進む。新町通は鉾の巡行に備えて、一切の通りを横断する電線がないが、他の通りには電線があるためである。昔ながらの幅の新町通を次々と鉾が通過していくため、道路の端にいてもすぐ近くを車輪が通過していき迫力があり、新町通で巡行を見るファンも多い。囃子のある鉾や曳山では、町内に到着すると祇園囃子が到着・終了の曲となる。囃子の最後は横笛の和音で終了し、付近の観客からは拍手が起こる。
後祭の山鉾は7月24日の9時30分に烏丸御池を出発し、前祭の逆コースを行く。生稚児の乗る鉾がないため、注連縄切りはない。くじ改めは京都市役所前で行われる。
山鉾巡行を見るポイント
●各山鉾町から出発地点 – すべての山鉾を見ることはできないが、通りに人が比較的少なく穴場。辻回しも比較的簡単に見られる。
●(前祭)南北の通りにある山鉾(室町通の菊水鉾・鶏鉾。新町通の放下鉾・船鉾・岩戸山が辻回しを行う。
●(後祭)鉾・曳山はすべて新町通にあるため、新町通を御池通まで北上して辻回しを行う。八幡山以外の舁山は主に室町通を北上する。
●四条通 – 繁華街であり、特に前祭は多くの人で埋まる。四条通は2015年から歩道の幅が広がり、早くから待った場合は山鉾に近いところから観覧できる可能性がある。後祭は比較的容易に前方で見ることができる。
●河原町通 – 繁華街であり、四条通と違い歩道が狭くて前祭は大変混雑する。また、歩道から山鉾までの距離が少し遠い。後祭では巡行に引き続き花傘巡行も観覧できる。
●御池通 – 街路樹の緑が多く写真映えがするが、前祭ではほぼ全区間が有料観覧席が設置され、一般客はその後ろからの観覧となり、山鉾までの距離が非常に遠くなる。後祭では市役所付近にしか有料観覧席がないため、四条通などよりも最前列で観覧しやすい。ただし、道幅が順航路で最も広いため、前列でも山鉾までの距離は少し遠い。緑が多いため蝉が多く、祇園囃子をかき消すほど大きな蝉の鳴き声が大変うるさい。そのため音声付きでの動画撮影の際にも影響する。
●解散地点から各山鉾町
●(前祭)すべての山鉾が御池新町で幅の狭い新町通に入る。一部の舁山は次の交差点で室町通方面に曲がるが、鉾・曳山と一部の舁山はそのまま新町通を行く。観覧場所となる道端から鉾までの距離が非常に近く迫力がある。通りが狭いので鉾全体の姿の撮影はかなり難しい。鉾通過直後に鉾の後ろについて歩くこともできる。四条新町交差点で長刀鉾・函谷鉾・菊水鉾・鶏鉾・月鉾は辻回しを行い、四条室町交差点で鶏鉾と菊水鉾は更に辻回しを行う。
●(後祭)四条新町の交差点で大船鉾・南観音山・北観音山が辻回しを行う。
長刀鉾・wikipedia-photo、大船鉾・wikipedia-photo、放下鉾の曳き初め・wikipedia-photo、蟷螂山(屋根上のカマキリが動く)・wikipedia-photo、船鉾・wikipedia-photo、「傘鉾の例・綾傘鉾」・wikipedia-photo、「曳山の例・南観音山」・wikipedia-photo、「屋台型舁山の例・浄妙山」・wikipedia-photo、「舁山の例・役行者山」・wikipedia-photo、「南観音山。見送りは加山又造下絵の『龍王渡海』。」・wikipedia-photo、「菊水鉾。見送りは岩澤重夫下絵の『深山菊水』。」・wikipedia-photo (wikipedia・祇園祭より)]
「都名所図会」・「巻之一 平安城再刻 祇園会(祇園祭)解説」
「巻之一 平安城再刻 祇園会(祇園祭)一枚目」
祇園会(祇園祭)一枚目(拡大図)
[山鉾の祭式いにしへは名も異にして、山崎の定鉾、大舎人の笠鷺鉾、所々の跳鉾、家々の笠車、風流の造り、山八権、癖舞などいふありて、荘も鹿微なり。今は和漢の錦繍をまとひ七宝を鏤め行粧厳重にして、天下第一の奇観ともいふべし。
家集 かさにさす山鳥の尾の長き日に神の園とぞけふ祭るらん 為家]
「巻之一 平安城再刻 祇園会(祇園祭)二枚目」
祇園会(祇園祭)二枚目(拡大図)
[祇園会(ぎをんゑ)
鉾に乗る人のきほひも都哉 其角]