マーカーは京都アスニー(京都市平安京創生館)です。
[京都市立中央図書館敷地の変遷
昭和56年,中京区聚楽廻松下町に京都市中央図書館が開館しました。この場所に焦点を定めて,各時代の地図をたよりに時間を飛び越える定点観測をしてみましょう。
平安時代 – 御所(内裏)を中心に平安京の諸官省を配置した一郭を大内裏と呼び,中でもこの場所には酢や酒の醸造,天皇への供奉,役人等への供給等をつかさどる造酒司という役所が置かれました。発掘調査で発見された遺構や遺物から,少なくとも9世紀後半まではこの地で存続していたと考えられています。現在,敷地内には高床式倉庫と想定される建物の柱跡がタイルによって示されています。
江戸時代 – 二条城周辺は幕府の要職で京都府に在任した大名の屋敷や藩邸等が多数置かれ,この場所には伊賀守流・藤井松平家の屋敷がありました。初代当主の松平忠晴は,徳川秀忠の小姓,奏者番,大番頭などをつとめ,丹波亀山藩主(3万8000石)となりました。また,忠晴の三男であり三代目当主の忠周は信濃上田藩主(5万8000石)となり,京都所司代,老中を歴任した大名です。その後,明治の廃藩まで上田藩は藤井松平家が治めました。
明治・大正・昭和 – 明治17年,上京区公立避病院(後に聚楽病院と改称)が開設しました。避病院とは,伝染病予防法(平成11年廃止)で規定された伝染病患者を収容していた病院です。当時は様々な感染症が世界各地で流行し,京都でも猛威を振るいました。大正4年,京都施薬院協会へ譲渡されます。施薬院とは貧しい病人に薬を施して療養する慈善施設で,同協会は安藤精軒が立ち上げました。明治以来,この場所には医療施設が設置されており,現在でも敷地の東側には洛和会丸太町病院が建てられています。 (「地図でたどる – 京都市図書館」より)]
施薬院協会跡
[施薬院は,奈良・平安時代の貧民救済施設の名称。明治30(1897)年に安藤精軒(1835~1918)が同名の私立病院を知恩院山内の法徳院に開設し,慈善事業として無料で診察をしていた。しかし経済的に行き詰まり、明治36(1903)年12月に京都府・京都市・京都医会が合同で施薬院協会を設立し,知恩院山内の入信院で救治療養を行った。その後,大正4(1915)年9月には病院跡であったこの地に移転し、大正14年に財団法人となる。昭和16(1941)年に厚生病院と改名したが,戦争により医療施設の強制買い上げがなされ,昭和19年10月に幕を閉じた。その後,この地は京都市立中央病院となっていたが,昭和56(1981)年4月に社会教育総合センターとなり、現在は京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)となっている。
所在地 中京区丸太町通七本松西入北側(京都アスニー内)
位置座標 北緯35度01分08.5秒/東経135度44分17.4秒(世界測地系)
建立年 1981年
建立者
寸 法 高23×幅46×奥行46cm
碑 文
[東上]
施薬院協会跡
(大正4年9月~昭和19年10月)
施薬院協会は、施薬院の
伝統を受け継いで、博愛
慈善の精神に基づき傷病
者の救治療養にあたった
昭和56年4月建立
調 査 2006年10月20日
備 考 平安宮造酒司倉庫跡(NA146)・平安宮造酒司倉庫跡(NA147)と並び立つ (「NA148 施薬院協会跡 – 京都市」より)]
京都市平安京創生館
[京都市平安京創生館(きょうとしへいあんきょうそうせいかん)は京都市中京区にある博物館施設で、京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)1階に所在。2006年(平成18年)10月6日に開館した。2005年(平成17年)4月開設当時は「平安京歴史ゾーン」と呼ばれており、平安京復元模型をはじめとする数点の展示内容だったものを大幅にリニューアル。従来の展示内容に加え、パネル展示による解説を新たに設けた他、多数の出土品を展示している。現地には平安宮造酒司倉庫跡地があり、柱の穴の跡がタイル張りで残されている。この跡地は平成9年に京都市から史跡指定を受けている。
京都市平安京創生館がある京都市生涯学習総合センター(写真右後方)・wikipedia-photo、京都市平安京創生館入口・wikipedia-photo、平安京復元模型 (1/1000)・wikipedia-photo、豊楽殿復元模型 (1/20)・wikipedia-photo、平安時代のくらしコーナー・wikipedia-photo (wikipedia-京都市平安京創生館より)]
「国立国会図書館デジタルコレクション – 文久改正新増細見京絵図大全(文久3 [1863] )」(絵図四つ切左上・千本御屋敷左方向に信濃ヤシキと記述されています。)
「国際日本文化研究センター – [大成京細見繪圖 : 洛中洛外町々小名](慶應4・1868年)」(絵図四つ切左上・御所司代千本屋敷左方向に上田ヤシキが描かれています。)
「西尾市岩瀬文庫/古典籍書誌データベース – 京町御絵図細見大成(明治元年・1868年)」(絵図四つ切左上・千本御屋敷左方向に信州上田ヤシキが描かれています。)
「京都市中央図書館 – Google Map 画像リンク」「平安京創生館 – Google Map 画像リンク」
カメラ北方向が京都市立中央図書館・京都アスニー(京都市平安京創生館)です。