マーカーは喫茶チロルです。
喫茶チロル
[案内所を始めることになりました。まずはやっぱりチロルからかなと思います。
僕にとって、それからヨーロッパ企画にとって魂のふるさとというべき場所です。
ヨーロッパハウス(ヨーロッパ企画事務所)から歩いて5分ほどのところにありまして、よく書き仕事をさせてもらったり、打ち合わせをしたり、撮影で使わせてもらうことも多いです。メンバーとか知り合いに会うこともしばしばで、大歳くんが姿勢をすごく低くして何かを書いていたらそれはイエティの公演が近いというしるしです。紙と目の距離が近いほど初日も近いと考えてよく、0センチになるとそれは初日だということです。チロルは書き物をするには机が低いんです。もちろん書き物をするための場所ではなくって喫茶するための場所なんですけど。それでも居心地がよすぎて身をこごめながらもついつい書きものをしてしまう、という。そんなすべてがちょっとミニサイズの古きよき喫茶店です。
僕が生まれたころにはとっくにもうあったんですが、大学生の頃にはまだ入ったことがなく、店の看板に書いてある「チロル」という文字が色あせて古めかしかったり、木の扉が重厚っぽかったり、看板の「スパゲティ」の文字が魔術的だったりで、お店の前を通るたびに「この怪しげな店内には一体どんな常連客が…」と想像をたくましくしていて、それで生まれたのが「冬のユリゲラー」、のちの「曲がれ!スプーン」という作品です。それであるときいざ入ってみたら、まったく庶民的ないいお店で魅了されたという。 (「喫茶チロル – ヨーロッパスタジオ」より)]
カメラ北北東方向が喫茶チロルです。