マーカーは森野すだれ店です。
森野すだれ店
[古くから生活に利用されてきた琵琶湖のヨシ。特にすだれは、向こう側の光をほのかに通して、柔らかみのある光へ変えてくれます。
「その不思議な味わいに最初に気付いたのは茶人でした」と語るのは、五代目店主の森野竹雲さん。森野すだれ店は明治元年の創業以来、琵琶湖産のヨシを使ったすだれづくりと和室室内の装飾に携わっています。
最近は量販店の大量生産品に飽き足らず、オーダーメイドのすだれを求めて来られるお客様も増えているそうです。天然のヨシは太さもまちまちで、また、網糸の綿糸は湿度によって微妙に長さも変わります。そんな素材を使いながら、水平で同じ長さ、幅のものに仕上げるのがこの店のこだわりです。
店内には、近江八幡市円山町だけで採れるという最高品質のヨシ「弥勒葭」を使った衝立などオリジナルの作品が飾られています。生育数が減り、40年前に絶滅したと言われる「弥勒葭」は、刈り取りから20~30年間以上寝かせることで、特有の風合いが出てくるそうです。今店頭に並んでいるのは、長い眠りからさめた30年以上前のもの。まさに、琵琶湖の生んだ宝物です。
森野さんが考案したオリジナル照明器具はドイツやアメリカなど、海外でも独特の柔らかな光が評価されています。「きらびやかな光ではなく、哲学的な光になるんです」と森野さん。ヨシ独特のほのかな光は、私たちの暮らしをより豊かにしてくれそうです。 (「森野すだれ店 | 大津百町DAYS」より)]
カメラ南南西方向が森野すだれ店です。