熊野街道(くまのかいどう)は、渡辺津から熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)への参詣に利用された街道の総称。
紀伊路とも呼ばれ、当初は、渡辺津から熊野までが一体として扱われたが、近世以後は紀伊田辺を境に紀伊路・中辺路と区分されるようになった。後者の中辺路は、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されている。
説教浄瑠璃の小栗判官にちなみ小栗街道(おぐりかいどう)とも呼ばれ、大阪市街(上町)では御祓筋(おはらいすじ)とも呼ばれる。
起点付近に設置された「熊野かいどう」碑(大阪市中央区天満橋京町)
熊野街道は、摂津国渡辺津(窪津・国府津・高津・楼津ともいう。大阪府大阪市中央区天満橋京町付近)を起点に上町台地を南下し、四天王寺(大阪市天王寺区)、住吉大社(大阪市住吉区)を経て、和泉国に入る。
和泉国下瓦屋村(泉佐野市)で、それまで熊野街道の海側を並行して通っていた紀州街道が熊野街道に合流し、雄ノ山峠を越えて紀伊国中筋村(和歌山市)に至る。紀州街道とは中筋村で一旦分かれ、川辺村(和歌山市)で再び合流してすぐ再び分かれる。熊野街道は川辺村から紀ノ川を渡って南下し続け、紀伊国田辺を経て、中辺路または大辺路によって熊野三山へと向かった。
街道沿いには、熊野権現を祭祀した九十九王子が設けられ、参詣者は参詣道中の無事を祈念しながら熊野三山への旅を続けた。 (wikipedia・熊野街道より)
熊野古道小辺路は高野山大門の南側から高野山大学の裏手に続いている高野山のかつての外周道(結界道)、いわゆる女人道の終点である、ろくろ峠を起点として、高野山と熊野本宮を最短距離で結ぶ約70kmの街道を高野街道もしくは熊野古道小辺路といいます。
途中、水ヶ峰、伯母子岳、三浦峠、果無峠と、1000m級の山越えがあり、最短ルートといえどもかなり険しい山岳道です。江戸時代中期の『三熊野道中日記』には、摂津国の造酒屋、八尾八左衛門が三泊四日で高野山から熊野本宮に至ったと記されています。 (「街道マップ 熊野古道 小辺路 – 和歌山県公式観光サイト」より)
熊野古道の地図
マイマップでは大坂天満八軒屋の「熊野かいどう」碑から和歌山県海南市の「熊野一の鳥居」跡までを熊野街道、「熊野一の鳥居」跡から和歌山県田辺市の「北新町の道分け石」までを熊野古道(紀伊路)、「北新町の道分け石」から熊野古道(中辺路)、熊野古道(大辺路)としています。
熊野街道は大阪府の歴史街道ウォーキングマップ「熊野街道 (マップ作成年度 平成17年度)」を参考に、Google Map とストリートビューで確認できたポイントをマークしています。
道標は大阪市内では大阪市が昭和六十三年に熊野かいどう道標、平成十三年に熊野街道道標を設置して大坂天満八軒屋からの距離を刻み、碑は「熊野かいどう」碑が何点か設置され、設置スペースのない狭小道には路面プレートにして設置されています。
熊野街道道標と石碑
堺市では山之口橋以南に歴史のみち 熊野街道道標が設置され、大和川と山之口橋間の熊野街道は確定していないようで、大阪府の歴史街道ウォーキングマップと Google Map の路線表示を参考にルート設定してみました。堺の熊野街道不確定の要因は慶長20(1615)年の大坂夏の陣による大火災の後に江戸幕府によって行われた町割で環濠都市の形成、さらに1704年(宝永元年)の大和川の付け替え工事による影響があると思います。
和歌山市では熊野古道路面標示や熊野古道案内提灯を設置しています。(「令和元年10月 和歌山市内の熊野古道への提灯設置を始めます。」)
熊野古道(紀伊路)、熊野古道(中辺路)では「熊野古道ウォークマップ」を参考に、Google Map とストリートビューでポイントを確認し、ルートの確認ができない部分は「OpenStreetMap」を参考にルート設定をしています。
熊野古道(紀伊路)の主たる道標。
熊野古道中辺路道標。
熊野古道中辺路 4 道標
カメラ位置は中辺路滝尻王子先の、熊野古道中辺路 3 道標と熊野古道中辺路道標で、カメラ南西方向左に熊野古道中辺路道標、右に熊野古道中辺路 3 道標、カメラ北北東方向に熊野古道道標があります。数字の在る道標には110番警察、119番消防と刻印されていますので、緊急時の通報場所として認識されているようです。
熊野古道(大辺路)では「わかやま観光情報|街道マップ 熊野古道 大辺路」、「OpenStreetMap」を参考にしてルート設定しています。
熊野古道大辺路では田辺市街地を抜けた道は富田川下流部沿いに続き、富田川と別れるとただちに最初の難所・富田坂を越え、日置川河畔にたどり着きますが、すぐに仏坂が控えています。仏坂を越えてすさみ町側に入り、和深川を渡ると、そこから長井坂で、この三つの坂には赤丸に救と印字され番号が振られた標杭が設置され緊急時の通報場所として機能しています。
熊野街道
熊野古道(紀伊路)
熊野古道(中辺路)
熊野古道(大辺路)
熊野古道(小辺路)
熊野古道(伊勢路)
伊勢路は「マップ・パンフレット – 熊野古道伊勢路」を参考にルート設定しています。
伊勢路では平成21年に伊勢から熊野速玉大社までの 170 kmの道のりに 4 km ごとにヒノキ製道標を設置して、伊勢・新宮までの距離を表示しています。伊勢側の最初の道標(新宮まで 166 km)は下宮の北御門付近にあります。
三重県では伊勢路沿道の案内看板に関する統一的なルール「熊野古道伊勢路 案内等表記ガイドライン」を策定しています。
伊勢路では標柱やカーブミラー等にローマ字標記プレートを添付し、路面には古道表示の路面シート(画像をイメージとして路面に表示)、峠道には中辺路と同じように峠100m道標が設置されています。路面シートは2023年のストリートビューから散見されますので、かなりのエリアで表示されているように思います。