マーカーは古座川ゆず平井の里(農事組合法人)です。
『日本山海名産図会』 – 熊野蜂蜜(「日本山海名産図会. 巻之1-5 / 法橋関月 画図」 – 「 2巻 – 17p 」より)
[紀州・熊野地方での養蜂の歴史は古く、平安時代まで遡ります。江戸時代の記された文献(日本山海図会)にも、熊野の蜂蜜が一番であると記載されています。古座川源流部の松根北部で蜂蜜採取が行われていたとされ、ニホンミツバチの生態に寄り添った伝統的養蜂が受け継がれてきています。古座川山間部の大塔山系の原生林が残る深山の、源氏落人伝説もある山里・平井地区。120人ほどの小さな集落で、和歌山県でも最もお年寄りが多いところです。日本屈指の清流古座川のほぼ源流部になり、川にはアユ、アマゴ、ウナギなどが泳ぎ回り、特別天然記念物のオオサンショウウオも見ることができます。
この周辺では、豊かで自律的な暮らしを作るために循環型農業を心がけ、農薬散布を行わないなど、人や生き物、環境に配慮した農業を行っています。そうした農家さんが、情報交換を常に行い、養蜂の技術も継承し、地域ぐるみで日本在来種であるニホンミツバチを大切に育てています。ニホンミツバチは、3キロ四方で活動し、約104種類もの古座川の森の「木の花のみつ」を集めていると言われています。そのため、多くの種類の花から採蜜された、様々な花の蜜が混ざった、深みのある甘さが味わえる希少なはちみつができあがります。
木の洞などに巣を作る野生のミツバチの習性を利用して、「ゴーラ」という杉の丸太をくりぬいて作った巣箱を山の所々に置いて、ニホンミツバチを住まわせます。そして一年に一回、夏場の時期に採取します。
ニホンミツバチが越冬できるように、巣を全部採りきることはせず半分残して切り、切り取った巣から滴り落ちる蜜を集めます。環境が気に入らないと群れごとゴーラから居なくなってしまったり、採れるはちみつの量も安定しないという苦労も多く、それだけに希少なはちみつと言えます。 (「紀州・熊野 日本ミツバチのみつ 熊野はちみつ – たまな商店」より)]
「熊野地方・古座川流域におけるニホンミツバチ伝統的養蜂の現状」
カメラ南南東方向が古座川ゆず平井の里(農事組合法人)です。