浄瑠璃坂

[【標識(新宿区教育委員会設置)の説明】
坂名の由来については、昔、この坂で「あやつり浄瑠璃」の小屋興行を行ったから。近くに光円寺があり、その本尊の薬師如来東方浄瑠璃世界の教主であるからなどの諸説がある。  (「新宿区の坂(3)市ヶ谷駅周辺」より)]

国立国会図書館デジタルコレクション – 〔〔江戸切絵図〕. 市ヶ谷牛込絵図」(絵図四つ切左上・水野土佐守上屋敷下に浄瑠璃坂が描かれています。)

マーカーは浄瑠璃坂の坂上です。

浄瑠璃坂上・カメラ東南東方向が浄瑠璃坂です。

浄瑠璃坂下・カメラ北北西方向が浄瑠璃坂で、カメラ方向左に標柱があります。

浄瑠璃坂の仇討
浄瑠璃坂の仇討(じょうるりざかのあだうち)は、寛文12年(1672年)2月3日に宇都宮藩を脱藩した奥平源八が父の仇である同藩の元藩士奥平隼人を討った事件。
発端は、寛文8年(1668年)3月2日、下野興禅寺宇都宮市)で宇都宮藩の前藩主・奥平忠昌法要でのことであった。忠昌死去より14日が経過していた。宇都宮藩奥平家には長篠の戦いで武勲を挙げ、将軍に対する永代御目見えという特権を得た「七族五老」と呼ばれる重臣12家があった。忠昌の法要において、そのうちの2家の当主であった奥平内蔵允(奥平家の譜代衆である五老の家柄。別名「黒屋家」。1000石取)と奥平隼人(主君奥平家の傍流にあたる七族の家柄。別名「中金家」。1300石取)の2人がささいなことから口論となり、憤慨する内蔵允が隼人に抜刀した。内蔵充の法要への遅刻を「腰抜け」となじった隼人を武士の一分を立てるためと斬りつけたのである。
藩の処分は事件から半年を経た9月2日に下された。隼人へは改易、内蔵允の嫡子・源八(当時12歳)、ならびに内蔵允の従弟・伝蔵正長へは家禄没収の上、追放が申し渡された。
この処分には、喧嘩両成敗に則せず不公平である、と追放された源八とその一族に同情する者が続出した。なかには、奥平家を見限って浪人の身となる者さえ現れた。こうして源八の与党は、軽輩はもとより重臣の子弟までもが含まれる一団となり、源八一党は仇討を誓って3年余も雌伏することとなった。
事件の当事者を追放してまもなく、追腹一件江戸幕府から咎(とが)められた奥平家は2万石を減石されて出羽国山形藩9万石への転封となっていた。寛文9年(1669年)7月3日、源八ら一党は手始めに、追放処分を受けず奥平氏に留まっていた隼人の実弟奥平主馬允を出羽上之山で待ち伏せし、討ち取った。源八一党からの襲撃を不安視した隼人は、江戸市ヶ谷浄瑠璃坂の鷹匠頭・戸田七之助の屋敷へ身を移した。
寛文12年(1672年)2月3日未明、源八とその一党42名が隼人の潜む戸田屋敷へ討ち入った。源八らは10数人を斬るなど終始優勢であったが、隼人の父・半斎を討ち果たしたのみで、目的の隼人を探せなかった。いったん仇討ちを断念した討ち入りの一党が、屋敷から引き上げて牛込御門前まで来たところで、隼人が手勢を率いて追ってきた。源八はとって返して、隼人と対決し、ついにこれを討ち取った。
源八ら一党は、幕府に出頭して裁きを委ねた。文治政治への転換を進めていた徳川家綱の政権は、この行為をゆるさず、武士の私闘を悪として封じ込める策を採った。ただし、源八の殊勝な態度に感銘を受けた大老井伊直澄による幕閣への影響力が大きかった為か、結果としては、死一等を減じて伊豆大島への流罪という処分に落ち着いた。流罪から6年後、天樹院(千姫)13回忌追善法要にともなう恩赦によって赦免された源八は、こののちは彦根藩井伊家に召抱えられた。他にも、他家へ召し抱えられた者がいた。
仇討ちの影響
源八の一族40人以上が徒党を組んで火事装束に身を包み、明け方に火事を装って浄瑠璃坂の屋敷に討ち入ったという方法などは、30年後に起こる元禄赤穂事件において赤穂浪士たちが参考にしたとされている。源八の一党は仇討ちを果たした後、自ら出頭しているが、赤穂浪士もこれに倣っている。徒党を組んでの仇討ちは禁じられており、本来ならば死罪に相当するが、源八らへの処分は見方によれば寛大なものであり、恩赦後、彼らは他家へ召抱えられた。
この仇討ちは、伊賀越の仇討ち(鍵屋の辻の決闘)と並ぶ仇討ちとして、当時は大変な評判となり、江戸の瓦版をにぎわせて「武士道の範」として世間に感銘をあたえ、歌舞伎講談の題材としても取り上げられた。1955年(昭和30年)には「復讐浄瑠璃坂・二部作」(主演:嵐寛寿郎)として映画化もされている。のちに起こった赤穂浪士の討ち入りと合わせて江戸三大仇討ちと称されることも多いが、近年では仇討ちの原因の分かりにくさや当事者の関係の煩雑さもあって、他の2つと比べて取り上げられることが少なくなっている。  (wikipedia・浄瑠璃坂の仇討より)]

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